post

京都大学はハンブルク大学(Universität Hamburg)との共催で「ハンブルク大学-京都大学 戦略的パートナーシップ ジョイントシンポジウム 2023」をハンブルク大学にて開催しました。両大学は2017年の大学間学術交流協定締結以降、活発な学術交流を推進し、2020年7月に両学長のリーダーシップのもとで戦略的パートナーシップ協定を締結しました。戦略的パートナーシップでは研究連携の分野横断的な展開、新しい学術分野での共同研究開拓、研究者の流動性促進などを目的にしています。同協定が3年間の期限を迎えるタイミングでもあり、両大学によって協定更新が合意されたことで、今回のシンポジウムでは両学長による調印式も執り行われ、戦略的パートナーシップでの新たな3年間のスタートの場ともなりました。

本シンポジウムはPlanetary Healthを共通のテーマとして掲げ、感染症、気候変動、環境経済、生物多様性の4つの分科会の下に両大学から研究者が集いました。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、過去数年間はオンラインでのイベント開催が主になっていたところ、今回は久しぶりの対面開催となり、合計で約70名の参加がありました。

シンポジウム初日は、ハンブルク大学のHauke Heekeren学長および湊 長博 総長の挨拶で開幕しました。続くオープニングプレゼンテーションでは、ハンブルク大学国際部のCourtney Peltzer‐Hönicke部長がPlanetary Healthという全体テーマや、それを受けた本シンポジウムの位置づけについて話されました。続いて河野 泰之 副学長(国際戦略担当)からは、本学の取組みとPlanetary Healthとの関連性や、シンポジウムへの期待等が話されました。その後、各分科会の代表研究者(感染症:西浦 博 医学研究科 教授、気候変動:竹見 哲也 防災研究所 教授、環境経済:森 晶寿 地球環境学堂 准教授、生物多様性:深町 加津枝 地球環境学堂 准教授)が登壇し、セッションの概要やメンバーの紹介を行った後、Planetary Healthという全体テーマの下での他の分科会との関連性について、モデレーターの質問に回答する形でそれぞれの考えが語られ、学際的な視点から諸課題を捉えることの重要性が共有されました。これを受け、各分科会にて、若手研究者も含む両大学の参加者が研究発表を行い、分野横断的な議論や、今後の共同研究に向けて活発な意見交換が行われました。

各分科会における議論の後、会場をハンブルク市庁舎へと移し、戦略的パートナーシップ協定の調印式が行われました。加藤 喜久子 在ハンブルク日本国総領事や林 正彦 日本学術振興会ボン研究連絡センター長にもご臨席いただき、日独の一層の相互協力が求められる中で、両大学間の協定延長と協力関係の深化を歓迎するとのご挨拶を頂戴しました。その後、両大学長により協定書への署名が行われ、一堂に会した参加者とともに、戦略的パートナーシップにおける新たな3年間の始まりが確認されました。

シンポジウム2日目には各分科会から議論の総括報告が行われ、学際的な視点で議論が展開されたことや、若手研究者を巻き込んだ継続的な議論が必要であること、今後の共同研究に向けた展望等が代表研究者から語られました。

最後は稲垣 恭子 理事・副学長(男女共同参画、国際、渉外(基金・同窓会)担当)およびハンブルク大学のLaura Marie Edinger-Schonsチーフ・サステナビリティー・オフィサーによる閉会の挨拶があり、本シンポジウムが若手研究者を含む多くの研究者にとって、Planetary Healthという重要課題に関する学際的な研究交流の場となったことへの喜びや、今後の協働への期待などが語られ、盛況のうちにシンポジウムは幕を閉じました。