MESSAGE32

[ 教員 / 北海道大学 ]

「人口」「活動」「資源」「環境」
国を越えてそれぞれの問題に取り組む。

波多野 隆介教授

農学研究院

参加したプログラム

実施エリア

  • インドネシアインドネシア
  • タイタイ

タイ・インドネシアの学生とともに、
問題解決能力を養成。

現在の社会では、一国の利害を超えて地球的な規模で連携・協力して解決を図らなければならない諸問題が山積しています。「人口・活動・資源・環境の負の連環を転換させるフロンティア人材プログラム」(通称「PAREプログラム」)では、私たちを取り巻く世界、とりわけアジアでの社会的状況に目を向け、「人口」「活動」「資源」「環境」の4つのキーワードを切り口に設定。その4つ全てが包含されている「流域」を対象に、都市と農村、資源・エネルギー・食料、環境負荷と衛生に関する具体的な問題を取り上げ、タイ・インドネシアの学生とともに、学問的見地を統合して解決案を提案することができる人材の育成を目指してきました。

上流域と下流域を比較。
実践型学習中心のプログラムを構築。

夏(北海道)と春(タイもしくはインドネシア)の短期スクールは、石狩川、マエクロン川、チタルム川の自然豊かな上流域から、農村、都市を含む中流、下流域の比較を行うことを目的としています。関連施設を訪れるフィールドトリップや、専門講義、グループディスカッション・プレゼンテーション等の演習により、フィールド研究力、多様性容認力、開拓力、課題解決力が必然的に身につくように構成。単なる語学留学とは違った専門分野での実践型学習を中心としたプログラム内容となっています。また専門講義では英語が使用されています。

グループ単位で課題に取り組み、
ネットワークを構築。

本プログラムは、国・文化・専門分野の異なる学生が、グループでひとつの課題に取り組む環境を提供することで、学際的な視野と能力を身につけた人材を育成しているのが特徴です。強調したいのは、グループ単位で人材が育成されるため、このプログラムを通じて将来の学際的研究のネットワークが形成されるという点です。PAREプログラム修了者は、今後も「PARE同窓会」に参加することができます。それぞれの国・大学に広がるPARE同窓会ネットワークを通し、アジアの問題解決および発展に貢献するために、プログラム修了後も引き続き情報交換を続けていける環境が構築されたことは大きな財産であると考えます。

政府で、国際機関で、企業で、
将来的な活躍を期待。

現在までに、プログラムにおける交流学生数はのべ350人を超え、50人以上が共同修了証を取得しています。こうして育成された人材は、将来、政府、国際機関、企業等で働き、持続可能な開発目標(SDGs)の達成のために協力して問題解決にあたっていってくれるものと期待しています。