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[ 参加学生 / 京都大学 ]

マレーシア在住日本人の調査を通じ、異文化に根ざした公衆衛生の実態を知る。

河野 文子さん

医学研究科 健康情報学博士課程
マラヤ大学(マレーシア)医学部 社会予防医学学科に、京都大学とのダブルディグリープログラムにて約1年間、留学。

参加したプログラム

実施エリア

  • インドネシアインドネシア
  • カンボジアカンボジア
  • シンガポールシンガポール
  • タイタイ
  • フィリピンフィリピン
  • ブルネイブルネイ
  • ベトナムベトナム
  • マレーシアマレーシア
  • ミャンマーミャンマー
  • ラオスラオス

公衆衛生を学ぶため、京都大学に入学。

米国の大学を卒業後、メーカーに勤務していましたが、家族の病気をきっかけに公衆衛生に関心を持ちました。たとえば医師から治療について選択肢を提示されても、知識が不足している患者側には判断を下しにくいところがあると思うんです。そこで治療の説明や選択肢の提示方法など、医師と患者のコミュニケーションのなかで改善できることがあるのではないか、自分自身が公衆衛生を学ぶことで貢献できないかと考え、京都大学大学院に入学しました。本プログラムのことを知ったのは、入学してすぐのことです。新興国の公衆衛生の現場に何かヒントがあるのではと思い、この機会を逃すべきではないと参加を決意しました。

ダブルディグリープログラムで、2つの学位を取得。

また、京都大学とマレーシアのマラヤ大学で2つの学位を取得できるダブルディグリープログラムというのも魅力でした。会社員時代に関わりのあったマレーシア人の方は、皆さんフレンドリーで頭の良い方ばかりでしたが、留学先の教員や学生の皆さんも同様で、英語が堪能かつディベート能力も高いと感じました。実際にマレーシアの大学で受講した授業では、グループディスカッションやプレゼンの機会も多く、考えさせられるきっかけに満ちていたように思います。

マレーシア在住の日本人約30名にインタビュー。

マレーシアは日本人高齢者の移住先としても人気です。そこで現地在住の日本人高齢者30名に日馬両国の医療の違いについてインタビューしたところ、マレーシアの医師はフランクな傾向があるとのことでした。日本では外来患者の数が多いためなかなかコミュニケーションの時間が取れないことも要因ですが、医師の権威が大きいというのはあると思います。しかしフレンドリーな国民性のマレーシアでは、目上の方を尊敬しながらも対等な関係性を築いているので、患者が低姿勢になることがないようです。ディスカッションでも自由闊達に議論を交わせるのは、そうした国民性があるからかもしれませんね。同じアジアでも多様な価値観があるので、こうした文化や習慣に根ざした公衆衛生に関する研究について、これからも取り組んでいければと思います。

ASEANの教育は、想像以上にハイレベル。

留学を考えるとき、どうしても先進国や有名大学を選びがちですが、ASEANをはじめとする新興国も教育レベルはひけを取りません。私自身、驚いたくらいです。何より、留学というものは未体験の環境に身を置いて、自分なりに異なる角度から解釈して幅を広げていくことが重要になると思います。そういう意味で、ASEANは非常にチャレンジングだと思います。